怪獣の部屋
20.透明人間編
「透明人間」 これ元祖。 1933(米ユニヴァーサル) |
「透明人間の復活」 1940(米ユニヴァーサル) |
「透明人間現わる」より 1949/9公開(大映) 日本初の特撮娯楽映画 |
東宝のゴジラに先立つこと5年、大映は日本初の本格特撮娯楽映画「透明人間現わる」を製作する。昭和24年、終戦からわずか4年目のことである。これには、一時期東宝を離れていた円谷英二が特撮を担当している。円谷は、このモチーフがかなり気になっていたらしく、東宝に戻ってゴジラを作ったすぐ後に、もう一度「透明人間」にチャレンジすることになる。更にその後、透明人間のアレンジともいえる”液体人間”、”電送人間”、”ガス人間”を作り、この分野への強いこだわりをみせた。 そもそも透明人間とは、英国のSF作家”H・G・ウェルズ”によって生み出されたアイデアである。SFの父ウェルズについては、いまさら説明の必要はないと思うけど、彼の考え出したSFの様々なアイデアは、その多くがこれまで繰り返し映像化されてきた。代表的なものに、「宇宙戦争」(侵略SFの元祖)、「タイムマシン」、「モロー博士の島」(遺伝子操作による新生物)などがある。他にも超能力、原爆による世界最終戦争、宇宙旅行など、ウェルズの存在抜きにはSFの歴史(SMじゃないよ)は語れない。そのなかでも映像作家たちが最も好んで取り上げたアイデアが、この「透明人間」だったんだ。帽子とって、サングラスとって、包帯ほどいていくと・・あれれ、なんにもねぇっ、てのが、みんなやりたかったんだね。 |
1954/12(東宝) |
1958/6(東宝) |
1960/4(東宝) |
1960/12(東宝) |
1957/8(大映) |
1960/3(大映) |
このアイデア、もう手垢が付いて古臭いかというと案外そうでもない。小説やマンガの世界では結構使われてるし、映画でも1992年に米ワーナー・ブラザースが、ずばり「透明人間」(監督ジョン・カーペンター 原作H・F・セイント”透明人間の告白”)を作ってる。「宇宙戦争」だって「インディペンデンス・デイ」なんてリメイクが出来るし、優れたアイデアっていうのは時代を超えて生きつづけるんだね。 この透明人間のアイデアが最も生かされる分野のひとつがポルノです。透明人間になってあのコの部屋に忍び込めたら・・っていうのは、男なら誰もが抱く妄想でしょう。それに透明男と美女のベッドシーンって見たいよね。逆はやだけど。 もし透明人間になれたら何をするか?と男10人に聞けば、9人までは答えは決まってる。「銀行強盗?」違う。「スパイ?」全然違う。答えは「女風呂潜入」これです。これしかないでしょう。じゃあ残りの1人は、って?そりゃあ多分「男風呂潜入」でしょう。 |
1970/3(大映)これもまあ喜劇でしょう | 「凸凹透明人間」1951(米ユニヴァーサル) | 「透明婦人」1940(米ユニヴァーサル) | 「透明人間犯せ!」1978(日活)犯せってあんた・・ 命令形なのね |
(2000/6)