怪獣の部屋

17.原潜シービュー号編

 「クレイン艦長、見てください。なにか近づいてきます。」

 「何だ。船か?」

 「分かりません。ものすごいスピードです。このままでは危険です。」

 「進路変更、避けるんだ!ああネルソン提督。こちらクレイン。非常事態です。すぐ来てください。」

 「艦長、見えました!な、なんですか、あれは・・。」

 「驚いたな。あんなの初めて見たぞ。」

 「どうしたんだクレイン。」

 「ああ、提督、見てくださいあれを。」

 前回の「宇宙家族ロビンソン」に続き、米TVドラマシリーズ第2弾、今回は「原潜シービュー号 海底科学作戦」です。製作は「宇宙家族・・」と同じくアーウィン・アレン。この人は、B級特撮映画の製作や監督としても有名ですが、60年代後半からは、こうしたSFTVドラマの傑作を次々と製作して名を上げました。「タイムトンネル」とか「巨人の惑星」もこのひとの手によるもの。なかなか子供心のツボをおさえた器用な人だと言えるでしょう。

 窓に向かって椅子を2,3個配置します。これには下っ端の役の方が座りましょう。ネルソン提督役とクレイン艦長役の方は椅子の後ろで立ったまま窓の外を見つめます。シービュー号が揺れる場面では、おもいっきり派手に転げましょう。ただし、右か左か間違えないように皆で同じ方向に転げるのがポイント。何かに掴まって必死に耐えている、という演技もなかなか感じが出て効果的です。いかがでしょうかシービュー号ごっこ。ぜひ会社でやってみてください。ただし、ネルソン提督役は部長に譲っときましょう。口には出さなくてもきっとやりたいに決まってるからね。

 「部長、どうですか。シービュー号」

 「おお?またか。好きだね君達も。わしはいいよ。若いもんどうしでやりなさい。」

 「なに言ってんですか部長。ネルソン提督やれるのは部長しかいませんよ。お願いしますぶちょー」

 「そうか?しょうがないなあ。ひひ。じゃあちょっとだけだよ」

 「きゃー。なになに。私達もいれてえー。」

 「だーめ。シービュー号は女の子いないの」

 「えーっ。つまんなーい。さべつうー。セクハラじゃなーいー」

 「あ、じゃああれだ。君達はワカメだ、ワカメ。その辺で揺れてなさい。」

 「えーっ。ワカメぇー。ひっどーい。サイテー。」

 「じゃあ部長、じゃなくて提督、出航します。進路はどちらに?」

 「うん。じゃあなんだな。えーっと、面舵おっぱーいなんちゃって」

 「アイアイサー!、こらこら何してんだ君達は。じゃまだなあ」

 「えー。だって私達ワカメでしょー。」

 「ところで課長、じゃなかった、クレイン艦長、なにさっきから電話してんですか」

 「しっ!いまお得意さんからだから」

 「お得意さん?だまされてんですよ、艦長!そいつは宇宙人です!化けてんですよ、お得意さんに!」

 「なにっ、そうだったか。おいっ、よくもだましてくれたな。宇宙人め。覚えてろよ!」ガチャ。

 「よし。じゃあ皆さん準備はいいっすかあ?はい。では夢と冒険とロマンの世界へ、しゅっぱーつ。」

とってもきれいな海の底

これやっぱり模型かなあ。本物に見えたんだけどな

 シービュー号が、きらきらと太陽光の差し込む海底を航行する場面はとってもきれいだった。シービュー号を見てた頃、僕のうちはまだ白黒テレビだったんだ。でも僕にはたしかに見えたよ。きれいなマリンブルーの海がね。

(2000/5)