怪獣の部屋
11.帰ってきたウルトラマン編
MATのメンバー(隊長は2代目伊吹) |
巨大魚怪獣ムルチ |
古代怪獣ツインテール |
”帰ってきたウルトラマン”について語ると”3年でも〜足り〜ない〜♪”という歌が入るのは間違い無い。僕の再放送ではないリアルタイム怪獣特撮番組初体験がこれです。さあ何から話しましょう。 まず、ウルトラQからセブンまでの3作品とくらべて決定的に違うのは、ドラマ部分の作りです。子供番組でそんなんあり?っていうのがよくあった。まずつらいのがMATの人間関係。主役の郷はいつも命令無視や判断ミスで失敗ばかりする。あんたマットアローいったい何機壊した?そんな郷は組織内でいつも孤立し、怒られまくっていた。そのMAT自体も地球防衛軍かなんかの上部組織のひとからよく”解散だ!”って怒鳴られてた。一体何度あったんだMAT解散の危機。MATの雰囲気がピリピリしてるもんだから、最後にウルトラマンが怪獣をやっつけても、いまいちスカッとしないんだよね。 |
初代ウルトラマン |
帰ってきたウルトラマン |
マットビハイクル |
初代加藤隊長 |
ちょっとやな感じもあったMATだけど、そのカッコ良さは抜群だったね。”♪ワンダバダバワンダバダバワンダバダバダン・・”MATのテーマにのって隊員達が出動するときは毎回シビれまくったもんだ。マットアロー、マットジャイロなんかのメカもよかったけど、僕が好きなのはジープでの出撃シーン。2、3台のジープに分乗してバズーカ砲みたいなのを撃ちまくりながら怪獣に突っ込んでいく、も、燃えるぜ〜。けど大抵は歯が立たず、ジープ捨てて走って逃げてくるんだけどね。隊長、もうちょっと作戦考えなさい。 |
宇宙大怪獣ベムスター |
坂田3兄弟 |
郷とアキさんは理想のカップルって感じだった |
”帰ってきたウルトラマン”の最も衝撃的なドラマ展開、それは坂田兄弟の死でしょう。郷の兄貴、いや父親のような存在の坂田健と、郷の恋人坂田アキ、彼らは郷にとっては家族も同然であり、順主役ともいえる立場です。普通は殺しちゃあいけませんよそんな人たちを。でもナックル星人は殺しちゃったんだなあ、あっさりと。アキはナックル星人の車に拉致され、逃げ出そうとしてドアに引っかかり、そのまま引きずられて死亡。健はその車の前に飛び出して跳ね飛ばされ即死。どうです。子供番組じゃないよね、これ。このナックル星人の回は、初代ウルトラマンとセブンが出たらしいんだけど、覚えてないよそんなの。僕らはあまりのショックで脳みそがぐちゃぐちゃになってた。 ある資料によると、こういう展開になったのはアキ役の榊原るみさんに別のドラマ出演が決まり、スケジュールの調整がとれなくなったから、というのが理由らしい。だからといって殺してしまえというのもすごいが、こういう展開は70年代の雰囲気からみて特にはずしてるわけじゃない。60年代の古き良き時代はもう終わってたんだ。 |
おとり怪獣ブルーマ |
変幻怪獣キングマイマイ |
シーモンスとシーゴラスの巻 |
古代怪獣キングザウルス三世 |
まだあります。衝撃の展開。それは雪女怪獣スノーゴンの巻。スノーゴンはカチンカチンに凍ったウルトラマンの首をもぎ、手をもぎ、足をもぎ、なんとバラバラにしてしまうのです。ひえ〜巨大スプラッター!もう絶対死んでるよ。またゾフィーか?でも二つの命のうち一つ使っちゃったしなー。しかしそんな心配をよそにウルトラマンは、ウルトラブレスレットの力で見事な復活を遂げます。いやーよかったよ。ウルトラブレスレットがあって。でもなんかちょっと後味わりー。 |
電波怪獣ビーコン |
地底怪獣グドン |
雪女怪獣スノーゴン |
吸血宇宙星人ドラキュラス |
ウルトラQからセブンまでの3作に比べると”帰ってきたウルトラマン”の出版物は驚くほど少ない。世間の評価もイマいち低いようだ。まあたしかに疲れる番組ではあったが、僕はけっして嫌いではない。僕のなかではこの”帰ってきたウルトラマン”までがウルトラシリーズ黄金期で、あとのエース以降は1ランク落ちる(というよりあまり真剣に見てない、ファンの人ごめんなさい)という認識があります。タッコングにサドラ、グドン、ツインテール、キングザウルス三世、テロチルス、シーモンスにシーゴラスなどなど特に初期の怪獣達は、そのデザインも特撮も”初代ウルトラマン”に勝るとも劣らない傑作ぞろいです。出版関係の方へお願いです。もっと本出そうよ。売れるよきっと。 |
光怪獣プリズ魔 |
オイル怪獣タッコング |
用心棒怪獣ブラックキング |
合成怪獣レオゴン |
夜中にふと目がさめる、と消し忘れたTVに砂嵐がひろがっている。リモコンに手をのばしながら僕はちらっと思うんだ。”電波怪獣ビーコン映んないかな”ってね。 |
(2000/2)